所在地:三重県(周囲農地、竹林隣接)
用途:専用住宅
種別:新築
構造:木造軸組工法
規模:地上1階
設計・監理:原田建築設計舎|HaradaArchitects 原田知幸
※住居の為、詳細非公開
ご夫婦と愛犬が暮らす約32坪の平屋の住まい。
敷地は周囲を農地に囲まれ、西側には竹林が広がる静かな環境にあります。朝は田園に光が差し込み、東側には山並みを望むことができます。昼には農地に風がとおり、夕方になると竹林が西日を受け止め、落ち着いた景色をつくります。都会ではなかなか味わうことのできない、光や風、季節の移ろいを身近に感じられることが、この土地の大きな魅力だと思います。
この豊かな環境を、日々の暮らしの中へ取り込みたいと考えました。また、建物だけが目立つのではなく、周囲の風景や四季の変化に自然と溶け込み、何年経っても変わらず美しいと感じられる住まいを目指しています。
建物は平屋とし、軒高をできるだけ抑えることで、田や竹林へと視線がゆるやかに抜けるよう計画しました。家のどこにいても庭を身近に感じられ、室内と屋外が自然につながることで、実際の広さ以上の開放感が生まれています。
南側には天然芝の庭を設け、愛犬が思い切り走り回れるドッグランとなっています。リビングやダイニング、キッチン、和室等から庭全体を見渡すことができ、季節の移ろいや愛犬の様子を日常の風景として楽しめます。庭は眺めるためだけの場所ではなく、遊んだり、食事をしたり、ゆっくり過ごしたりと、暮らしのもう一つの居場所として考えています。
屋根は深い軒をもつ切妻屋根としました。夏は強い日差しを遮り、冬は室内へやわらかな陽射しを取り込むことで、一年を通して快適な室内環境をつくります。また、外壁や建具を雨や紫外線から守り、建物を長く美しく保つ役割も担っています。昔から日本の住まいに受け継がれてきた軒の良さを、今の暮らしにも活かしています。軒下は内と外をゆるやかにつなぐ中間の場所となり、食事をしたり、愛犬と過ごしたりできます。
窓の計画では、日当たりシミュレーションを繰り返し行い、一年を通して光や日射熱の入り方を確認しながら、配置を検討しました。風を取り込む窓、朝日を取り込む窓、庭を眺める窓、竹林を借景とする窓。それぞれに役割を持たせることで、時間や季節によって心地よい場所が少しずつ変わり、その日の気分に合わせて自然と居場所を選べる住まいになっています。
室内はLDKを中心に、書斎やデッキ、庭へとゆるやかにつながる構成としました。光の入り方や陰影、風の流れ、天井の高さ、視線の抜けなどに変化をつくることで、それぞれが思い思いに過ごせる居場所を散りばめています。LDKの天井高さは、開放感だけを求めず、あえて抑えています。横の広がりを感じられ、包み込まれるような落ち着きのある空間とすることで、長い時間を過ごしても心地よく、豊かな気持ちでいられる場所を目指しました。仕上げには無垢材や、塗り壁などの自然素材を選び、できるだけ素材そのものの色や質感を活かし、住み続けるほどに味わいを深め、経年変化もこの住まいの魅力の一つになればと考えました。
性能面では、耐震性・断熱性・省エネルギー性を確保し、安心して快適に長く暮らせる住まいとしています。
考える住まいの価値は性能だけではありません。数値では表せない居心地の良さや、その時々の気分で自然と居場所を選びたくなる空間が、暮らしを豊かにしてくれると考えています。考える住まいの価値は性能だけではありません。数値では表せない居心地の良さや、その時々の気分で自然と居場所を選びたくなる空間が、暮らしを豊かにしてくれると考えています。